石木川

石木川

見ザル、言わザル、聞かザルのやぐら(石木川)

ダム小屋で監視中のおばあちゃん達(石木川)

石木川こうばるの棚田

石木川こうばるの棚田2

ホットスポット名称 :
石木川
住所:
長崎県東彼杵(ひがしそのぎ)郡川棚町岩屋郷川原(こうばる)
ホットスポットの概要:
  • 石木川は二級河川川棚川の支流。
事業名:
石木ダム
事業内容:
  • 重力式コンクリートダムで堤高55.4m、堤丁長234m、総貯水容量5480km3の多目的ダム
  • 事業者は、長崎県と佐世保市。
事業の目的:
  • 佐世保市の水道用水の供給
  • 洪水被害の軽減
  • 流水の正常機能維持
問題の経緯:
  • 1962年、長崎県が住民に無断でダム建設のための現地調査、測量を行おうとするが、町や地元住民の抗議により中止。
  • 1975年、建設省(当時)がダムの全体計画を認可。地元住民は「石木ダム建設絶対反対同盟」(旧)を結成し、1977年頃より始まった県や町による戸別訪問を拒否。
  • 1980年、長崎県職員の戸別訪問や酒食のもてなしなど切り崩しが始まり、一部土地を手放す人が出てくるが、「石木ダム建設絶対反対同盟」が再結成される。
  • 1982年4月、長崎県は機動隊を動員して測量など立ち入り調査を行おうとするが、「ダム小屋」と呼ばれる団結小屋(ダムサイト予定地に作られている)を建て住民が激しく抗議し阻止。子どもたちも学校を休んで阻止行動に参加した。5月、県は機動隊140名を動員し、抜き打ちで測量を強行。
  • 1983年、反対する住民により二ヵ所が測量できていないにもかかわらず、長崎県はダム建設の資料が整ったとして測量調査を完了させる。
  • 1983年~2009年、県や町による住民の切り崩し、裏工作が続く。
  • 1990年に近年最大の洪水が起こり、川棚川の下流域で浸水が起こるが、川棚川の痕跡水位から水が堤防を越えていなかったことがわかりダムを造っても治水の目的とは関係がないことが判明。
  • 1999年からダム建設の根拠となっていた佐世保市の水需要が減り続け、水需要予測が架空であることが判明。
  • 2009年、長崎県と佐世保市は、国交省九州地方整備局に石木ダムの事業認定を申請。国交省は正式に受理。
  • 2010年、長崎県は工事開始日を公表せずに、突然付け替え道路工事を着工。住民は4か月にわたって座り込みを続け工事着工を阻止。70代、80代のおばあさんたちが座り込みの中心をになう。長崎県は付け替え道路工事を断念。
  • 2010年、民主党政権による必要のないダムの検証が始まり、石木ダムも検討の対象となるが、2011年に、長崎県は「事業継続」の方針を国に報告。
  • 2012年、国交省が石木ダムの事業継続を認める。
  • 2013年、国交省九州地方整備局は、事業認定手続きの公聴会を開催。審議会委員から石木ダム建設に対し懸念が続出する。しかし9月、石木ダムの事業認定が告示され、長崎県は住民の土地強制収用を視野に入れる。
  • 2014年9月、県は長崎県土地収用委員会に、4世帯の農地について収用裁決申請、11月には新たに4世帯の宅地を含む土地の裁決申請への準備を始める。
  • 2014年12月、長崎県土地収用委員会による現地調査と審理が開催。しかし現地調査は5分間のみ。
  • 2015年2月、第二回収用委員会が開催。
守るべき生物多様性:
  • 日本の里山の原型とも言える川原の風景
  • ホタルが数千匹飛び交う石木川の生態系
  • ヤマトシマドジョウ、ニホンウナギ、ウキゴリなど淡水魚約20種、ヤマセミ、カワガラスなど鳥類、カスミサンショウウオなど両生類、クロサナエ、オナガサナエ、オジロサナエ、ヒメアカネなどのトンボ、コムラサキ、メスグロヒョウモンなど蝶類。石木川はこれら希少種の生息域。
  • 飲料水となっている虚空蔵山を源流とする石木川の清い水
  • 大村湾の生態系。大村湾は外海と2本の水路でしか通じていない閉鎖的海域。水があまり動かない大村湾に流入する河川の中で一番大きい川が川棚川であるため、石木ダムによる大村湾の水質悪化が予想される。
現状:
  • 40年間にわたり反対運動は健在。13世帯60人もの住民が立ち退きを拒否し続け、絶対ダムは作らせない意思を明確にしている。
  • 団結小屋「ダム小屋」には毎日、川原のおばあちゃんたちが集まり、世間話をしながらダム事務所の職員が通らないか監視する活動を続けている。
  • 2014年の件による収用裁決申請を受けて、収用委員会が2014年12月、2015年2月の2回が開催されたが、たった2回で結審し土地の強制収用に踏み切ろうとしている。
  • いまだに、長崎県知事や市長、町長は、地権者をアポなしで個別訪問し、質問にはいっさい答えず、ただ「お願い」だけを繰り返すようなやり方を行っている。
  • 公開質問状に県は回答拒否するなど、住民に対する説明責任がまったくなされておらず民主的な手続きを無視する状況が続いている。
  • すでに全国では、環境破壊や土砂堆積による機能不全などダムの弊害が問題になっており、熊本県の荒瀬ダムでは日本で初めてのダム撤去工事が進められている。このような時代の変化とは無関係に、40年前の計画を進める長崎県や国交省に一般市民からも批判が出始めている。
  • 佐世保市の水余りは明白になっており、ダムを造る費用は、水道代にはねかえり佐世保市民一人当たり毎年約5000円の負担となることが明らかに。
  • 石木ダムは、これまでに例のない13世帯もの住民に対し強制収用をかけようとしている。日本では、ダム建設に関しては最後の1世帯でも強制収用した事例はない。
取り組むNGO・市民活動:

石木川まもり隊
http://www1.bbiq.jp/ishikigawa/
石木川、石木ダムを考える「こうばるを想う1000のメッセージプロジェクト(こうばるプロジェクト)」
http://hozumix.blog32.fc2.com/blog-entry-257.html