糸島くらし×ここのき 野口智美さん

オーナーの野口智美さん

糸島くらし×ここのき店頭

すべて糸島産

手作り木工品

作家の紹介も嬉しい

ホットスポット名称:
糸島くらし×ここのき 野口智美さん
住所:
福岡県糸島市
タイトル:
糸島モデル最前線
レポート内容:

「筑前前原駅」から10分ほど歩くと唐津街道前原宿に出る。現在は昔ながらのお店が残る前原商店街となっている。この一角におしゃれでナチュラルな雰囲気の雑貨屋がある。最近、代官山TUTAYAでの販売や、ナチュラルライフをテーマにした雑誌でよく取り上げられている「糸島くらし×ここのき」だ。店内には思わず手に取りたくなるような木工品や陶器や食品、書籍など手作りにこだわった商品が並んでいる。すべて糸島ブランド!

オーナーの野口智美さんは、実は森を守る仕事に関わりたかった。もともと雑貨屋をしていた経験があり、物をコーディネートする力を生かして森を守ることにつなげていこうとお店をオープン。「放置されている糸島の山を元気にしたい。そのためには町の人に木を使ってもらわなきゃと思って。ふだん日常的に使う道具や家具が木の製品だったら、暮らしの中に木をもっと取り入れたら、森への関心や愛着が増すのでは?と考えたんです」今は、木工品だけではなく陶器や食品もあり、60人余りの作り手の作品をあつかっている。「木を使う価値観と糸島の物を使う価値観は同じかなと思ってあつかうことにしました」とのこと。野口さんは、糸島で完結してできた物にこだわりがある。糸島の人が糸島の木や水や食べ物で作ったものを販売したい。「地元の人々が自然を守ってきてくれた。それを受け継がなければならないという想いが商品へのこだわりになってるんです」。野菜のほんとうの美味しさを糸島から発信したくて糸島産野菜とフレンチのコラボでできた伊都島スタイルの「糸島ピクルス」、安政2年(1855年)から8代も続いている白糸酒造のお酒で作った明太子…野口さんは、次々と品物とその向こうに見える人の想いについて紹介してくれる。

「売る力は伝える力のことだと思っています。はやりやブームにも乗っかることもあるけど、根っこがないといけない。お客さんが何を良いと感じてくれているかがとても大事」
野口さんと話している間にも、木工作家さんが作品を納入しにきたり忙しそう。買う、使うという行為は「消費」と言われてしまうと味もそっけもないけれど、ここのきにいると本当は人と人が物を通してつながることなんだなと感じることができる。人と人がつながり、山と海と街がつながり、昔と今がつながるそんな場所にしたいと野口さんは考えている。

「社会的な成功は必要です。それが糸島の森を守っていくことにつながるから。環境を守るのは経済だと考えてます。ここのきのようなお店が儲かるとみんな救われるでしょ?」と野口さんは笑う。でもたまに「儲け度外視だからみんな応援して買ってくれるのかな?」と悩んだりもする。持続可能な社会のイメージが漠然としたものではなく、糸島で可視化したい。そのためには、「今できるものだけではなく、夢があるものをいっしょに作っていきたい。地元では当たり前すぎて気づいていない宝物がまだまだあるんですよ」ローカルビジネスの本当のおもしろさとはその土地への愛であることを知っている人の言葉だ。

2015年7月28日 坂田