一本釣り漁師 岡本正昭さん(まぁちゃん)

今日の収穫を見せてくれる岡本正昭さん

宝の海!型の良いタイが踊る

海について語る岡本正昭さん

人にも鳥にも海の恵み

ホットスポット名称:
一本釣り漁師 岡本正昭さん(まぁちゃん)
住所:
山口県熊毛郡上関町祝島
タイトル:
一本の糸で海と命のやりとりをする
レポート内容:

山口県室津半島の東端に上関原発予定地がある。海を隔てて西へ4km先に見えるのが祝島。このあたりの海は、四季を通じてさまざまな魚が獲れる瀬戸内海でも屈指の豊かな漁場だ。宝の海で、一本釣りを続けるまぁちゃんこと岡本正昭さんは、漁師歴50年。3代続く漁師だ。15歳の時、本当は島を出るはずだった。その頃、島の人口は3000人近くおり(現在は500人弱)みんな半農半漁だったが、学校を卒業すると集団就職で島を出る人が多かった。まぁちゃんは、結局親に引きとめられて船に乗ることになった。27、8歳でやっと独り立。「魚のいるところが自然にわかるようになるんよ。潮をよむ力もこの頃ついた。二段潮の時によむ力によって違いが出るな」二段潮とは、上層と下層で方向がことなる潮が流れている状態。素人だと釣りにならない。まぁちゃんは、「20年ぐらいの潮のデータを身体が覚えている」と言う。まるで海はからだの延長のようだ。一本釣りは、25年ぐらい続けている。かつて1960年頃は、一本釣りのタイは「祝島鯛」として高級料理店でその名をはせたほどだそうだ。「一本釣りは、1人でできて魚にストレスもかからないところがいい」食い気があるタイと漁師の一対一の勝負だ。取りすぎることもなく、海の資源を枯渇させることもない。

 

「漁獲は、ここのところだいぶん落ちた。10月頃でも水温が28℃もあるしな。魚の種類もだいぶん変わってきた。昔は魚種が多くてめずらしい魚もたくさんおったもんやが…」

 

まぁちゃんは、山の様子を気にかける。「山がだめになると海も必ずだめになる。浜がだめになり海岸線がすっかり変わった。食物連鎖や生物多様性がいかに大事かってことやな」

 

人のやることは、海にすぐ反映される。伊方原発が止まってからエビがもどってきた。まぁちゃんは、エビや小魚に影響が大きいフジツボを取る薬をまかなくなったせいではないかと思っている。

 

「漁師の仕事は、命を落とす仕事だ。覚悟がいる。やばい時は海の雰囲気でピリピリ伝わってくる」その言葉に、海と命のやりとりをしている人なんだと改めて実感する。今日もまぁちゃんは、タイを中心に、メバル、エビ、ハゲ(カワハギ)を獲るため海に出る。中国電力は、田ノ浦は我々の土地だから入るなと言うが、海まで売ってない。海は誰のものでもない」一本釣りという伝統的な漁法で、大きな網を使わず糸一本で魚を釣り上げる漁師にとって、海は命のゆりかご。一本釣りを続けることが海を守ることにつながっていく。

2015年7月10日 坂田